Thought Leadership ぶろぐ

当面は米国の安全保障政策やその動向について取り上げたいと思います。(週末更新)

「中国政府の情報戦には太平洋地域の米特殊作戦軍が対抗」(2021年3月25日記事)

1.元記事(C4ISRNET)

www.c4isrnet.com

2.記事要旨

  • 米国特殊作戦軍(US Special Operations Command)は太平洋地域において、同盟国と共に中国の情報戦に対処するタスクフォースJoint Task Force Indo-Pacific teamを結成した
  • 中国の情報戦は、Disinformation, Misinformation, そしてPropagandaから構成されるのが特徴であり、国防を超えて米国の脅威となっている
  • 斯様な状況に鑑み、USCYBERCOMはサイバー空間(0か1か)のみならず、情報戦も実行できるように権限が拡張された
  • USCYBERCOMは2018年に公表された国防総省のサイバー戦略(DoD Cyber Strategy)にある「Defend forward」の概念を基に、2020年の米大統領選においては外国からの脅威に対抗するべく数多くのオペレーションを実施している
  • 今回の取り組みにおける一例として、USCYBERCOM内組織である1st Special Forces Commandは情報戦センター(Information Warfare Center)を立ち上げ、「Influence artillery rounds(影響力のある弾≒情報)」を設計開発し、仮想敵国の動きを積極的に検知し、そこに弾を打つ(情報を送る)役割を担う予定

3.Leader’s ほそく

簡単に言えば、Disinformationは悪意を持って偽情報を流すこと、Misinformationは間違った解釈のまま誤解を招く情報を悪意無く流すこと、を指します。中国はSNS等を活用して偽情報を流し、中国国民のみならず相手国や近隣国の国民思想をもコントロールして、極論は中国共産党の考えに賛同する人口を増やそうとしている一方で、米国や日本を始めとした民主国家の衰退を目論んでいるとみられております。民主主義国家vs専制主義国家の争いは、軍事面と経済面どちらもにも強く紐づいた形で様々な戦略が繰り広げられるので面白く、日本としては国政や企業経営に至るまでどういうポジションをとればよいのか考えさせられますね。

それではHave a nice day!