Thought Leadership ぶろぐ

当面は米国の安全保障政策やその動向について取り上げたいと思います。(週末更新)

「仏ThalesとAtosがビッグデータおよび人工知能に関するジョイントベンチャーを新設」(2021年5月27日記事)

1.元記事(Defense News)

www.defensenews.com

2.記事要旨

  • フランスの2大IT企業であるThales社およびAtos社は、欧州連合EU)に特化した人工知能(AI)とビッグデータを結集する研究施設Atheaを共同設置する
  • Atheaでは、ビッグデータおよびAIに関する欧州固有(soverign)プラットフォームのフラグシップを開発し、官民にサービスを提供する予定。また将来の軍事能力にAIやビッグデータを活用したい考えがある
  • AtheaはProject Artemis(フランス軍ビッグデータ能力を提供する事業)に寄与する予定であり、機微情報を国家レベルでセキュアに取り扱うことが出来るシステムを提供することになる
  • Thales社は欧州において将来航空戦闘システム(Future Combat Air System/欧州の次世代戦闘機)に寄与しており、また北大西洋条約機構NATO)の通信情報局において、NATO初の戦域レベルで機動展開が可能な防衛クラウドプログラム、通称Fireflyの開発を受託している

3.Leader’s ほそく

今回はこれまでの記事からは少し離れて、欧州の動きを見てみました。NATOは米国やドイツ、フランスを始めとした30か国が加盟する集団防衛組織です。有事の際には加盟国で「集団的自衛権(Collective Defense)」を発動し、脅威に対抗することが出来ます。昨今は物理空間のみならず、サイバー空間でも集団的自衛権を発動出来るか否かという議論がなされており、発動できるという考えが共通認識となっております。アメリカではLockheed MartinやNorthrop Grumman、Raytheonといった所謂Giantがアメリカの国防を支えていますが、欧州ではBAE SystemsやAirbusのみならず、今回取り上げたThalesやLeonardoといった企業が安全保障を支えています。

 

それでは、Have a nice day!