「サイバー戦と情報戦を統合するには更なる検討が必要 - 米幹部談」(2021年3月6日記事)
1.元記事(C4ISNET)
2.記事要旨
- Thomas Wingfield前トランプ政権時の国防次官補・サイバー政策担当(Deputy assisstant secretary of Defense for Cyber Policy)によれば、サイバー能力だけでみると過渡期であることから、サイバー単体で見るのではなく情報戦(Information Operation)と共に考えるべきだと主張
- なぜならば、情報戦はかつてのような物理面でなく、サイバー面が多くなってきているため
- Wingfield氏は、トランプ政権時に国防次官に対して、CyberとInformationの両方に係る作戦について報告するようなスキームを仕掛けている(現国防長官のLloyd Austin氏は、国防総省[DoD]の情報戦に係るサイバー態勢について、どう作戦を実行するか見直す方針)
- 米国家安全保障局(NSA)と米サイバー軍(USCYBERCOM)のDual hat分離に関する議論については、現状のDual hat状態でも機能しているので、性急に分離をした結果混乱を来して脆弱な状態を招くようなことがあってはならないと、同氏は指摘している
3.Leader’s ほそく
防衛面で日本より先行している米国では、サイバーと情報戦を一緒に考える風潮が高まっています。日本は憲法制約上、攻撃が出来ないのであくまで防御に徹する「サイバーセキュリティ」を考えますが、もう少し裾野をグレーゾーン(攻撃ではない偵察など)に広げてみるのはどうでしょうか。本記事で取り上げられているDual hatとは、NSA長官がCYBERCOMの長官を兼務していることを意味します。現在は日系3世のPaul Nakasone氏がその役務に就いていますね。
それでは、Have a nice day!