Thought Leadership ぶろぐ

当面は米国の安全保障政策やその動向について取り上げたいと思います。(週末更新)

「中国政府はデジタル通貨に関する国際的なルールを提案」(2021年3月25日記事)

1.元記事(Reuters)

www.reuters.com

2.記事要旨

  • 中国政府は世界の中央銀行に対して、デジタル通貨をどのように全世界で使用するかという基礎トピックから、どのように流通を監視するか/情報共有するかに関するセンシティブなトピックに至る国際ルールを提案した
  • 世界の中央銀行は、ビットコインをはじめとする仮想通貨の台頭や国内外の取引加速を受けて、デジタル通貨を取り扱えるように金融システムの近代化を進めているが、この領域は中国が最も進んでいる
  • 仮想通貨が台頭すると、今現在のスタンダードである現金に対して課されているルールが適用されない無法地帯を生み出すことになり、懸念されている
  • そこに目を付けたのが中国であり、中国人民銀行(People’s Bank Of China)はそこで中央銀行デジタル通貨(Central bank digital currency)を発行する最初の銀行になることを目論んでおり、米ドルに支配された支払システムをリプレースしようとしている
  • 欧州中央銀行も同じくデジタルユーロを向こう5年のうちに誘致すべく検討を開始している
  • 尚、中国人民元のデジタル通貨の流通が加速すると、中国のモバイル決算システムであるAlipayやTencentが登場してくることになり、こういった会社が全国民の支払い情報を牛耳ることになる

3.Leader’s ほそく

筆者は2010年前後に北京に住んでおりましたが、その時から比べ物にならないほどデジタル化が進んでいる印象です。本記事を読む限りですと、中国が新しい領域でイニシアチブを取っており懸念されるというマイナスな捉え方になりますが、実際中国現地に行けば確実に分かりますが、どんどん便利になるので「すごい」という思いになります。中国人はとても合理的な考えを持っており、楽するために○○をやる、金が欲しいので○○を売る、といったように人間の欲望に大変素直です。斯様な考え方が、本記事にあるような動きに繋がっているのだと思います。何事にも慎重で先行事例を求めたがる日本人には、なかなか難しい動き方ですね。ビジネスマンになるのであれば、米国や欧州だけでなく、中国に留学して学ぶという選択肢は良いかもしれません。

 

それでは、Have a nice day!